キャッチコピーは、生きねば。
ジブリの中でも個人的に強く心に残っている作品の一つ
「風たちぬ」
主人公、二郎の声優をエヴァンゲリオンの庵野秀明さんが演じるなど、当時からとても話題になっている作品です。
今作は実在の航空技術者である堀越二郎をモデルに、制作されており
他のジブリ作品とは一味違った魅力がたくさんあります。
今回は、そんな風立ちぬに登場する
カストルプというキャラクターの正体などを中心に書いていきたいと思います。
風立ちぬ・カストルプの正体は?
カストルプの正体はロシアのスパイだと言われています。
これは、カストルプのモデルがソ連に実在したリヒャルト・ゾルゲというスパイがモデルになっていることからです。
他にも、行動や発言からそうではないか?と言われるシーンが多数出てきます。
カストルプは劇中に最後のタバコであると発言しながら、後日にまた同じ銘柄のタバコを吸っているシーンがあったりと、どこかのルートから支給を受けているのでは?と推測されているようです。
また、新聞を読んでいることは情報収集の一環だとされており、何者からか追われていることもその理由の1つになってきます。
カストルプ
Wikipedia
声:スティーブン・アルパート
軽井沢町に滞在するドイツ人。
たまたま二郎や里見家と同宿だったことから、二郎と菜穂子が交際を始める際に立会人となった。
ナチス・ドイツの台頭を快く思っておらず、世界的に孤立した日本の将来についても悲観的な見通しを持っている。
クレソンが好物で、フランツ・シューベルトの楽曲を好む。
他のモデル
カストルプには他にもモデルとなった人物がいます。
スティーブン・アルパート
スタジオジブリの海外事業部に勤めていた方です。
彼に恩義を感じていた宮崎駿監督は、キャラクターの絵としてアルパートさんを見た目のモデルにしたそうです。
ちなみに声優もアルパートさん自身が務めています。
ハンス・カストルプ
名前のモデルになっているとされています。
トーマス・マンの小説『魔の山』に登場するハンス・カストルプ。
「カストルプ」の名前は、ここからきているらしく、キャラクター設定において参考にしているかは不明となっています。
セリフについて
「忘れるに、いいところです。チャイナと戦争してる、忘れる。満州国作った、忘れる。国際連盟抜けた、忘れる。世界を敵にする、忘れる。日本破裂する、ドイツも破裂する」
軽井沢のホテルにて二郎と出会ったカストルプは作中で世界情勢について語るシーンが出てきます。
自分達の好き勝手に国家レベルで行動した挙句、それをなかったことの様にしていた日本を忘れるというワードを何度も使い皮肉めいています。
また、日本と同様にドイツも破滅するとカストルプは言っています。
これは実際の歴史の中でも同じことしていた日本や世界の過去の歴史について、キャラクターを通じて発言させています。
制作サイドからのメッセージもあったのかもしれません。
ちなみに戦争の道具となっている戦闘機を作る二郎への問いかけにもなっていますよね。
歌について
カストルプがピアノで弾きながら歌っていた曲は、ドイツの古典映画「会議は踊る」の挿入歌で
「ただ一度だけ/ Das gibt’s nureinmal」という曲です。
「会議は踊る」は、風立ちぬの舞台となった昭和9年に日本でも公開されているようで「ただ一度だけ」もヒットしたそうです。
それでみんなが歌えたと推測できますね。
曲の翻訳がこちらです。
今日はお伽噺のようなことがつぎつぎに起きる。 あまりにも素敵すぎて本当とは思えない まるで奇跡のように射してくる 天上から金色の光が。 ただ一度だけ もう二度と来ない ただの夢かもしれない。 人生にただ一度 明日にはもう消え去っているかも。 人生にただ一度 だって花の盛りはただ一度だけ。
あの歌のシーンは菜穂子と二郎の短い幸福な時間を感じさせるような内容になっていたんですね。
サラダを食べる意味
結論から言うとナチスの圧政を意味しているそうです。
上記のウィキにもあったようにカストルプはクレソンのサラダを食べています。
このシーンはただカストルプがクレソン好きで食べていたという意味だけではなく
ベジタリアンだったアドルフヒトラーをクレソンのサラダと表らしているらしく、むしゃむしゃクレソンを食べることで、ナチスによる圧政を喰らうという意味も表しているんですね。
まとめ
今回は「風立ちぬ」に登場するカストルプについて書いていきました。
謎の多いキャラクターですがカストルプのセリフや行動はこの映画のとても大切なシーンだと思いました。
皆さんもカストルプに注目して「風立ちぬ」をご覧になってはいかがでしょうか。
最後までありがとうございました。
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